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胃が満たされて、ホッと息を吐く。
ビール片手にソファに移動して、寄り添うように隣に座った相沢の肩に頭を落とす。
どこか一部だけでも触れていたくて仕方がなかった。
甘えている自覚はあった。
けれど、そうしていないと相沢を繋ぎ止められない気がして不安だった。
「……そんなでもねぇよ。…いい子だったと思うんだ」
橋の上で出会った相沢のことが頭から離れなくて、一週間で別れを切り出した。
他に気になる存在が出来たのに、付き合い続けるのは失礼だと思った。
「…俺、そんな前から陵介に」
俺の頭を撫でながら、相沢が照れたように呟いた。
「そこは聞かなかったことにしてくれ」
今問題はそこじゃないんだ。むしろそれには触れてほしくないくらいだ。
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