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顔に熱が集まるのが分かって、俺は誤魔化すようにぐびぐびと手にしたビールを喉に流し込んだ。
「ごめんごめん、ちょっとビックリしちゃって…」
相沢はくすくすと笑って、それから俺の体をぎゅっとだきしめた。
「ばっ、溢れるだろ!?……それと…もう聞くなよ?」
危うく缶を落としそうになって文句を言ったが、相沢の腕は俺を引き寄せたままだった。
「はいはい。それでその彼女は、どうしたの?」
諦めて、短く息を吐いて俺は続きを話し始めた。
「……好きじゃないのは初めから知ってたって。だから嫌だって言われたな…」
そうだ。俺に誠実さが足りなくて、無駄に傷つけた。
それもその時痛感して、とにかく謝ったんだ。
でも。
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