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だから俺は、会わないように避けるという方法を取ってしまった。
逃げても解決なんてしない。
分かっていたけど、その時はそれが最良の方法だと自分自身に言い聞かせていた。
「最低なんだよ…ホント、どうかしてた」
悔いるように呟いた俺に、相沢はちゅっと触れるだけのキスをして。
どういうわけか、苦笑いした。
「…なんだよ?」
「や、そういう展開なんだなって思って…俺、てっきり…」
そういう展開とか、てっきりとはなんだ。
こっちは嫌われるかもしれないと不安になりながらの告白だと言うのに。
「……なんだよ」
相沢のちょっと気の抜けた声にムッとする。
だいたい、笑うところじゃないし。
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