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「冗談だけど…でもそうでしょ?今の流れで何かあったって言うなら嫌がらせだ。そんなことで陵介に触れるなんて……たとえ過去のことだったとしても許せるわけないでしょ?」
相沢は俺の体をぎゅっと抱き寄せたままだ。
耳元で囁かれた声の低さに、相沢の本音を垣間見た気がした。
…こいつはそういう男だったなと、今更ながらに思い出し苦い笑みが溢れた。
「お前…感が良すぎて腹立つわ。でも…それで済んでた方が…嫌がらせの方が、よかったかもな」
「なにそれどういうっ…」
俺の呟きに、過剰に反応した相沢は、ガバッと身を起こして俺の肩を掴んだ。
俺はいちいちリアクションのでかい相沢にため息をついて、肩を掴んだ相沢の手首に口づけた。
「なに言っても…俺をアイシテルんだろ?
……透」
「っ…」
「俺も、お前に嫌われるかもって不安に思うのやめるから…黙って聞いてくれ」
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