736人が本棚に入れています
本棚に追加
「…俺、あいつが…美咲が好きだったんですよ」
「…見てりゃ分かる」
それを俺に言ってどうするんだ。
告白は本人にしろと声を大にして言ってやりたいところをぐっと我慢する。
彼女は俺を好きだと言った。
こいつもそれを分かっている。
それどころか俺とのことを相談されてしまっている。
明らかに、恋愛対象として見られてはいない。
それを自分がされたら辛いだろうな、と思う。
思うが、俺にはどうしようもない。
しかし、さっきの質問に対して何故そんなことを言うのか。
答えにはどう考えてもなってない。
「…そうですか?…だからずっと梶センパイの話を嬉しそうに話す美咲を見てたんです」
…だからどうだと言うのだろう。
棗の話はどうにも要領を得なくて、俺には何を考えているのか分からない。
最初のコメントを投稿しよう!