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一言で言うと、田舎にあるおばあちゃん家。
基本的には畳の部屋で、大きい広間が1番奥に1つと、そこから左右に円を描くように廊下が伸び、広間よりは小さい個人用らしき部屋がいくつか。
広間から右側に進むと台所、反対に左側に進むと大浴場があった。それなりに広い屋敷だったからか、適度な感覚でトイレがあって、円の中心には大きな中庭。凄く綺麗だった。
一通り探検し終えたのでとりあえず広間に入ってみる。中心あたりに小さな丸テーブルと、その上に。
『お初にお目にかかります稲荷神さま。私は世界の意思を伝えるものでございます』
小さな丸テーブルの上。
さらに小さなその子は、薄い茶色の毛を右耳の下当たりでざっくりと三つ編みにして薄紅色の着物を着て正座のままに恭しくお辞儀をした。
「えっ・・・と・・・?」
背中に、羽?妖精みたいな・・・。
戸惑っていると、綺麗な動作で身を起こし首をコテンとかしげてこちらを見つめる。
『鈴木彩菜さまとお見受けいたしますが、よろしいでしょうか・・・?』
「あ、うん。鈴木彩菜です・・・えーと、世界の意思って・・・」
『よろしくお願いいたします。それも含めて私(わたくし)がご説明させて頂きますので、まずはこちらにお座りくださいまし』
私の返答にニコリと笑ってこれまた綺麗な動作でテーブルの前にある座布団を指した。
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