ひとつ。

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位の低い神とはいえ、神は神。 それがすべていなくなってしまえばどこに影響がでるか分かりません。 応急処置として、稲荷神となれる素質を持つものを探しました。 命を絶った稲荷神達ではすぐに戻ることが出来るほどの者達はおらず、何より力が足りませんでした。 既に新しい生を送る者達も含めあらゆる者達の魂を探しました。 そして、見つけたのです。 彩菜さま。貴女を。 稲荷神とは本来、その土地に住まう長寿の狐が昇天した時に、神の采配によりその役目につく。初めは野良狐であった頃と同じ一尾から。 そこから神として力をつけたり長い年月を過ごす事で更に1本、また1本と増えていき、最高が9本でした。 そこまでになると通称九尾とも言われ、その力は土地神の力には収まらないほどの力をもつこともありました。 さらに九尾になった稲荷神の中でも、1番力も強く、頭も良かった方がいました。 稲荷神と、初めに認められた方です。 名はなかったため、それはそのまま「いなり」といいました。 それが、貴女の前世です。」
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