ひとつ。

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でもさ。 「私って結構、お人好しなバカなんですよね。 それこそ、『貴女しかいない』なんて言われたらもう凄く頑張れちゃうくらいの。」 項垂れていた天使が、まるで弾かれたかのように顔を上げた。 「私に出来ることがあるなら、喜んで。」 「彩菜様・・・!ありがとうございます!」 満面の笑みを浮かべ、勢いよく私の手を取った天使。言わずもがな、イケメン。 「・・・失礼いたしました。先程言ったように、これから行く世界は今までいた世界とはまるで違います。」 「・・・魔法、ですよね?」 「そうです。そして、今貴女には当たり前ですが魔法を使うための力。魔力はありません。」 「ですよねー」 「ですが!貴女はいなり様の魂を持っておられます!使えはせずともきっと眠っているはずなのです!」 えっうそまじで!? 「大まじです! それには魂を解放しなければいけません。が、少々痛みが生じます。・・・死にはしない痛みですのできっと大丈夫でしょう!」 「・・・なんかナチュラルに心読まれた気がする・・・?」 「気のせいです! ・・・では早速解放いたしますのでもう少し、こちらに寄って頂けますか?」 「・・・はぁ。」 既に充分近いと思うのだけど、更に寄れと?とりあえずずりずりと近寄る。 ーーーグイッ 「はっーーーんぅ!」 急に腰つかまれて引き寄せられてキスされました。
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