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ふたつ。
パタリと閉じた扉は、役目を終えたとばかりに消失する。消えた跡を、いつまでも見つめていれば後ろに気配が現れる。
「・・・リオル様は、最後まで嘘つきですね?」
「・・・話しやすい方が良いだろう?」
「クスクス・・・そうですね。貴方の愛した姿そのままでしたね?」
「・・・あぁ。だが中身はそのままではない。」
「そうですが・・・はぁ。貴方がそうなら良いです。
さぁ、仕事はまだ山積みですよ?守護神リオル様。」
「分かったよ、ラウラ。」
本当は少し手を触れれば良かったそれを、深く、深く口付けた。俺はそのままにあの方を愛せる誰かに嫉妬したのかもしれない。
あの子はもう、俺の愛した方じゃない。
分かっている。
だが俺も、人を生み出した神なのだ。
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