ひとつ。

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真っ白いその塊はどうやら開こうとしているようだ。卵のような形のそれは徐々に頂点を伸ばし、前方がゆっくりと開いていく。 ザワザワ 「おい、あれって」 「いやいや、まさか」 「でもさ、」 ザワザワ 少しずつ開いていくソレはだんだんと中身が見えてくる。ザワつく周りの会話の内容は、その中身についてだ。 ーーーバサッ 簡潔にいえば 白いモノの正体は、羽だった。 そしてその中身は、人だった。 「ーーーきれい。」 ぽつりと誰かが呟いた。 真っ白な羽が開くと、1人の男性が現れた。遠目からでも綺麗だと感じるほどに輝く金色の男にしては長めの髪。光を反射して煌めくその瞳も、多分同じ色なのだろう。 ゆらりと周りを見渡す男。 彩(ーーーッ・・・今) 綺麗なその瞳が、さらに大きく開かれた気がした。 「ーーーさま。見つけました」 小さなその声は、最初こそ聞こえなかったものの周りを黙らせるのには充分だった。 ふいに指をこちらに向け、そのまま上に上げていく男。 ザワめきが、一層大きくなっていく。
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