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魔力に飲み込まれていく綜馬を見て緋花と条野はやめるように言い、魔力から綜馬をとり出すように魔力に身体を飲み込ませる。
「綜馬やめて!これ以上憑依を使うと貴方の身体は…!」
しかしその声は綜馬に届かない、そして二人は魔力に弾き飛ばされる。
「オレにもっと力があれば、力が!」
『綜馬。お前はこれ以上私の力を使うと戻れなくなるぞ』
ルシファーが綜馬に忠告を促すが当の本人はそれすら耳を貸さない、ひたすらに力を求め続ける。
『人間ってものはいつまでも様々な感情を持っているのだな、憤怒したり強欲になったり傲慢になったり。これだから人間は面白い。お前が自ら望んだものだ、後悔するなよ』
そう言うと完全に魔力が綜馬を呑み込み生きているように蠢いている、その光景はまるで中にいる綜馬を喰らっているかのごとく。
「後悔?ハッ、もう後悔なら5年前と今で十分だよ!」
その言葉とともに魔力が爆発するように弾け飛び近くの吸血鬼に当たると消滅する、そして綜馬は純白の鎧に見を包み、手には神々しい光を放つ両刃剣を握っている。
「これが全身憑依、限界の先にある最強。これならみんなを守れる、条野と緋花は負傷者の手当てを頼む。オレは吸血鬼どもを消す。」
緋花と条野は驚いていた、綜馬の言葉に我に返った二人は負傷者の手当てに行こうとしたその時。
「吸血鬼が!完全に囲まれている」
20体ほどの吸血鬼達が3人を囲むように円になっていて条野と緋花は動けない。
「条野、緋花。頭下げろ」
その言葉に二人は頭を抱えてしゃがみこむ、すると綜馬は剣を持ったまま高速で横に1回転する。
「条野、緋花。もういいぞ行け」
条野と緋花が頭を上げると20体ほどいた吸血鬼の動きが止まっている、その吸血鬼たちには先程とは違う点があった。
「く、首が…」
首がない状態で止まっていたのだ、そして時間差で20体が一斉に消滅する。そして二人は負傷者の手当てに走る。
「さて、まずは師龍のとこに行って十鬼柱を皆殺しにするか」
そう言い地面を蹴ると吸血鬼以上の跳躍力で移動する。
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