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零条の手から離れた綜馬は残りの十鬼柱をいとも簡単に消滅させる、その姿と強さに師龍でさえ言葉が出なかった。師龍隊と綜馬が集まると一人が気づく。
綜馬の姿を見てサラは黙っていられなかった、綜馬の肩を掴んで問う。
「ちょっと綜馬、あなたなんで全身憑依なんてしてるの!他の緋花隊はどうしたの?」
その言葉に綜馬は一度言葉が詰まるが師龍隊に報告する。
「緋花隊は十鬼柱の1位2位と戦闘になった、そしてなんとか倒したがその時に。時雨とバンジョーが刺されて死んだ。」
その言葉に表情を変えたのは師龍と豹馬だった、肩を掴んでいたサラは黙ってその手を離した。
「師龍隊!」
突然のその声の主は大鎌を持った鳴海だった、その声に我に返った師龍は鳴海の方を向く。
「大変だ、今王が元帥と…」
その時上から何かが落ちてきて二人は反射的に避ける、落ちてきたその何かを見ると鳴海と師龍隊は絶句した。
「親父!」
「晴明元帥!」
落ちてきたのは傷だらけで血だらけの一条晴明その人だったのだ。
「人の王はこんなにも軟弱だったか?全く持って話しにならんな」
遅れて彼らの前に立ったのは両手に剣を持った、王だったのだ。その顔を見て零条が反応する。
「祐兄さん?」
その言葉に周りの人間が驚きの表情をする。
「久しぶりだなぁ俊、元気そうだなぁ」
その顔はよく見ると零条と似ていたのだ、そして二人は会話を続ける。
「俊、やっとだ。覇権争いのために零条家を皆殺しにした一条晴明をやっと殺した、これで父上や母上達の弔いができる。」
「なんの事を言っている!零条家は鬼の襲撃を受けて壊滅したと聞いた!」
「そうだぁ俺と俊、そして亮が家を離れていた時に鬼に襲撃された。それはこの一条家が企てたこと、覇権争いで勝ち目の無い一条家は零条家を皆殺しにして鬼の仕業に仕立てあげた。お前と亮は幼かったからな、俺はカインに頼み込み吸血鬼になった。そして亮は鬼に連れて行かれお前は残った」
「亮兄さんは死んだはずではないのか!」
「お前は無知だな、悲しくなるよ。」
そして納めていた剣を抜いて零条に向けて構える。
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