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「既に悪魔に身を売ったお前とは敵同士、俺を殺せばお前ら人間の勝ちだ。そこの一条のじじいに意味なんてない」
その一言に鳴海が激昂し祐に斬りかかる。
しかし紙一重で避けた祐は鳴海の腹部に蹴りを入れる、吹き飛んだ鳴海は気を失う。
「雑魚は寝てろ」
祐は見下して言葉を吐き捨て零条の方に身体を向ける。
「俊、お前はいつかこっちへ呼ぼうとした、いつか二人で亮を手引きしようという作戦だったのだが」
その話しの途中で零条は構える、その瞬間。
後ろで綜馬が倒れこんだのだ、師龍が一瞬の隙をついて綜馬を気絶させたのだ。
憑依が解かれた綜馬だが魔力が消えたが利き手ではない左腕は黒い紋章の様なものがタトゥーのように残っていた、そして魔神器も元に戻らず両刃剣のままであった。
「ちっ、やっぱり後遺症が残ったか。零条、王の相手はお前にしかできねぇ。必ず勝てよ」
師龍が綜馬を担ぐと零条に本心から勝つことを懇願する、そして師龍はその場を王と零条だけを残して離れる。
「俺ぁ人間最強の零条俊だぁ祐!」
「人間最強程度のてめぇが吸血鬼の王のこの俺に勝とうなんざ片腹痛いぞ俊!」
双方の一撃がぶつかり合う、その衝撃は周りにも影響を出し近くの建物が崩れるほどに。
二人は剣撃の速さよりその重さを重視した攻撃を繰り出す、そしてそれを一切受け流さず攻撃をもって対処する。
いわば足を固定されて避けることができない状態での殴り合いと同じことをしていたのだ。
「まだまだ甘いぞ俊!」
その言葉を放った祐は巧みな剣技で俊の奉天画戟を真上へ弾き飛ばす、そして俊へ一太刀浴びせる。切られた俊は怯むことなく祐の顔面へ拳を放つ。
後方へ吹き飛んだ祐は建物に激突し、その衝撃で建物が崩れ生き埋めとなった。
俊は弾き飛ばされた奉天画戟を手に取ると祐の方をじっと見つめる。
その瞬間、建物が爆発したかのように瓦礫が吹き飛ばされる。姿を表した祐は口から血を流す程度で他には外傷が見られない。
「あのお前が物理で攻撃してくるとはな、少し油断したぜ。俺の一太刀も皮一枚切る程度でお前は避けた。これからは本気で行くぞ」
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