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種田早紀。私のお母さん。
―……お母さんは私が小学4年生の時に死んだ。
死んだ…と言うより、殺された…。
実の娘である私に……。
♦お母さんが死んだ日。あの日はお母さんと隣町までショッピングに行く予定だった。雲一つない青空だった事を覚えている。
早紀「真紀ちゃん。早くおいで。電車、遅れちゃうよ!」
真紀「ママ待って―!!」
幼い私は白いハンカチをカバンに入れ、急いで靴をはく。
早紀「真紀ちゃん、晴れてよかったねぇ。」
真紀「うん♪」
満面の笑み。この時は何にも知らずに笑ってた。
駅に着いてからは暇だった。一人はほとんどいない。ホームにあるベンチには所狭しと落書きがしてあった。落書きを読むのにも飽き、周りに目をやる。
真紀「モンシロチョウ!!」
私はモンシロチョウが大好きだった。
早紀「真紀ちゃんは本当にちょうちょが好きなんねぇ(笑)」
私は夢中でちょうちょを追いかけた。
早紀「真紀ちゃん、危ないからあんまり走り回らんようにしなさいねぇ。」
ちょうちょが点字ブロックに止まった。私は勢いよく飛びついた。電車が来ていることもしらずに。
早紀「!!真紀ちゃんッッ!!!」
白いワンピースがふわりと宙に浮く。
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