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―……気がついた時には駅のホームで私は転んでいた。
頭が真っ白だった。母の着ていた白いワンピースは真っ赤にそまっている。
真紀「…ママ…?」
母自慢のサラサラヘアーは紅く濡れた。
徐々に集まってくる救急隊や野次馬の中で私は線路に吸い込まれていく母の暖かい手を思い出す。
……お母さんは…私をかばって死んだ…………
私のせいでお母さんは死んだ…………
―…私が………お母さんを………殺した……?―
紅く染まった線路の上で、ちょうちょは何にも知らずに舞っている。
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