秘密の扉が開くとき 第五夜

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「……せくん」 誰かが俺を呼んでいる。 低すぎないハリのある声音。 ぼんやり顔を上げると、高槻さんが俺の傍に立っていた。 「え、高槻さん!?」 何で高槻さんがここに…… 「マスターに連絡を貰ったんだ。水臭いじゃないか、早瀬君。君が呼んでくれればいつでも迎えに来たのに」 「迷惑かと思って……」 「僕達は付き合う、いや付き合っているんじゃなかったのかな?君が困っているなら尚更知らせて欲しかったよ」 「高槻さん……」 ああ、今すぐ抱き付きたい。 「泊まる所がないなら、僕の部屋においで。遠慮なんかしなくていい」 「はい、ではお言葉に甘えて」 高槻さんの優しさには、人としても頭が下がる。 俺が席を立つと、バッグまで持ってくれた。
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