秘密の扉が開くとき 第五夜

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「薫、さん」 「君を休ませてあげたいけど、無理そうだ」 見つめ合い、唇を開き激しく舌を絡ませる。 今度こそ交わりたい。 「俺、我慢できません。今すぐ貴方を俺の中に」 薄く街灯が漏れ、視界が利くベッドの上。 高槻さんは、繋がる部分を、丁寧に指で慣らしてくれた。 「ん、ああっ……」 先にイッてしまった俺の体液を使い、多少の痛みはあったが、上手く繋がることができた。 「敬吾君、辛くない?」 「いえ。俺、今凄く嬉しい。薫さんは俺の初恋だったから」 「偶然、いや必然だね。僕も君に恋をしていた。再会した時、僕は更に恋に落ちたよ」 俺も高槻さんも、二度同じ相手を好きになった。 お互い秘密はもうない。 これからは、ありのままの自分で居られる。 「薫さん、あ、もっと貴方を感じたい、もっと。あっ……ああっ」 とうに日付は変わり、更けていく夜と明けゆく時間の狭間に。 俺達は何度もキスをして、体を、気持ちを繋いだ。 ☆★☆
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