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再び目を覚ましたのは、昼近く。
壁掛け時計の針が、11時を指していた。
隣にいるはずの高槻さんが居ない。
「おはよう、敬吾君。よく眠ってたね。気分はどう」
短い廊下へ続くドアが開き、ちょうど戻ってきた高槻さんは、珈琲ショップの袋を抱えていた。
「はい、大分落ち着きました」
「朝食を買って来たよ。一緒に食べようか」
ベーグルとテイクアウト用の紙カップに入ったホット珈琲を、ベッドまで運んでくれる高槻さん。
「ありがとうございます」
半分だけ開けたブラインドから光が差して、寝起きの眼に眩しかった。
「薫さん、俺、ルームシェアは解消しようと思うんです」
「学生の彼とも?留学までは一緒に暮らすんじゃなかったのかな?」
「自信が無くて……。みのり、ルームメイトですけど、俺には彼が何を考えているのかわからない」
「珈琲が冷めてしまうね。食べながら話そうか」
「はい」
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