第一夜

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都心部から電車で35分。 7階建て賃貸マンションの6階に、俺、早瀬敬吾は男二人と共同生活をしている。 ルームメイトの一人は、大野みのり。都内私立大学三年生、20歳。 もう一人は、宇津見剛。中高一貫校の保健体育教師、24歳。 そして俺は、玩具メーカーに勤務するサラリーマン、23歳だ。 部屋の間取は2DK、家賃12万。 成人男子三人が暮らすにはちと狭い気もするが、同居を始めて2ヶ月。 最低限のルールは守られ、今のところ不便さはあまり感じない。 年齢、経歴もバラバラ、俺達には一見すると共通点がまるでない。 そんな三人が、同居するきっかけ。 俺、みのり、たけるはそれぞれ本業とは別に裏のバイトをしている。 男性専用デリバリーホスト。 デリホス、または売り専あるいはボーイ。 男が男に身体を売り、金を貰う、風俗業だ。
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