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「君が俺をルームメイトに選んだのは、自分に都合がいい相手だからだろ。適当に利用できて無難そうな男。俺は別にそれでも良かったさ、あんな所を見るまではな」
よりによってたけるなんかと……
「ご免なさい。寂しかったんだ」
「なら、これからもたけるに慰めて貰えよ」
「僕はけいごとしたかったんだ」
「君が執着するのはカネだけだろ。貧乏サラリーマンの俺なんかより金持ちのパトロン探せよ」
売り専ボーイのみのりが誰と寝ようが承知のはずなのに、行為の相手がたけるだったことがかなりのダメージだった。
それが嫉妬なのか対抗心なのかは俺自身にもわからない。
「しばらく一人になりたい。放っといてくれ!」
「待って!」
振り返らずに、ドアを開け外へ出た。
行くあてなんかなかったが、今、あの部屋に留まるのは耐え難かった。
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