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高槻さんはまだあの部屋にいるだろうか?
いや、ダメだ。
こんなみっともない内輪揉めに、高槻さんを巻き込んでは……
ギリギリ電車に乗れば、新宿周辺の安ホテルに泊まれるかもしれない。
しかし家出人同然の風体で、今更電車に乗る気力はなかった。
『……店内は何時でも入れます……』
ふとイノセントのバーテンダーが俺に掛けた言葉を思い出した。
酒で憂さ晴らしをするつもはないが、行ってみるか……
駅のタクシー乗り場に足を向け、二つのバッグと共に開いたドアの後部座席に乗り込んだ。
高槻さんとの記憶を頼りに、俺は行き先を告げた。
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