これモアイ

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「ほぅ……? ワタシの考えた節制メニュー、実行されていないと?」 「館の料理担当者にメニュー表は提示したみたいなんですけれど、しっかり食べてはいないみたいですね。  お酒と甘味は、どこからともなくかすめ取ってきます」 「だっ……だってあのメニュー、これでもかってくらい納豆三昧だった……」  ガバッと体を起して叫んでから、これでは自白になってしまうと気付いたのだろう。  ハッと御師様が口をつぐむが、もう遅い。  そして『胡蝶! こういう時こそ胡蝶の夢の出番……っ!!』という視線を向けるのもやめてほしい。  私の『胡蝶の夢』は失言をなかったことにする便利道具ではありません。 「こっ……こここれは言葉のあやあやあやや……」  落ちけつ、御師様。 「遊仙さん、ちょっと、ちょーっとこっちへ来ましょうか」  しゆ先生の目が輝きを増す。  口元の笑みは変わらず爽やかだ。  だというのに御師様の顔からは更に血の気が引いていく。
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