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…市川アヤノ、謎だ…
アタシが藤田の部屋を出て、廊下に出た直後、その市川アヤノ当人と鉢合わせ
た。
…ヤ、ヤバイ…
…見られた!!…
アタシは顔を見られないように、下を向いて、市川アヤノの視線をやり過ごそ
うとした。
しかし、当然、そんな小細工は利かない。
「…あら、美人のお嬢ちゃん…こんなところで会うのは奇遇ね…」
アタシは聞こえないフリをして、足早にその場から、逃げようとする。
「…お嬢ちゃん、聞こえないの?…」
市川アヤノは問いかける。
アタシはその市川アヤノの問いかけを無視して、歩いた。
下を向いたままだから、顔は見えない。
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