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その後の事は彩音も詳しくは覚えていない。
気が付けば彩音は、病院で精神ケアの為に入院する事になっていた。
そして、秀一の母親もまた息子の死が受け入れられず、自身の心の殻に閉じ籠ってしまったのである。
全ての不幸は....悪夢はあの日から始まった。
幾人もの人を不幸のドン底に陥れ、秀一の母親と自分の人生を滅茶苦茶にした笑い人症――。
あの日の一件は彩音の心に、深い傷を残した。
拭いされない恐怖と、心を抉り取られる様な喪失感――。
今でも彩音の心の中はポッカリと、埋められない穴が空いていた。
あれから5年もの時は過ぎたが、彩音の時はあの日から進んでいない。
ずっと止まったまま....。
だからこそ....彩音は知りたかった。
いや....知らねばならなかったのである。
――――笑い人とは何なのかを・・・――――
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