最後の言葉

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携帯を取り出す。 1件のメールが来ていた。 ――――― 2007.12.23 18:34 From:鮎川 和磨 Sub:無題 …………… クリスマス行きたいとこ決めた? お台場とかは混んでるかね? ――――― ため息を付き、携帯を畳む。 このまま何も言わずに別れられたらどれだけ楽だろう。 でもそんな事出来るわけもない。 再び携帯を開いて、返信画面を出した。 「さよなら。」 短く、一言だけ文字を入れる。 送信ボタンがなかなか押せない。 手が震えた。 これを押してしまえば私達はもう「さよなら」なのだ。 涙も止まる気配はなく、和磨への気持ちも、やっぱり止まるはずがなかった。
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