最後の言葉

5/8
前へ
/71ページ
次へ
今ならまだ間に合う。 「打ち間違えた」って。 「亜由未とふざけて会話してた」って。 …手放したくない。 …和磨と一緒にいたい。 頭の中はそれで一杯だった。 電源を切ったままの携帯。 ごみ箱に捨てたプレゼント。 泣き腫らした目で見渡す和磨との思い出。 それでもグッと堪えた。 手にしていた携帯をベッドの上に放り投げる。 さよならするんだ。 私は自分に言い聞かせた。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加