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「早く決めちゃってよ」
12月も終わりに近付いた風の冷たい冬。
軽く頭を掻きながら呆れ果てている亜由未(アユミ)をよそに、私は真剣にディスプレイと睨み合いをしていた。
初めて恋人と過ごすクリスマス。
ケーキを作って、オシャレにキャンドルを立てて、二人で大きなイルミネーションを見に行こう。
ニヤけっぱなしの私と不機嫌な亜由未。
「あとで何か奢るからさ」
私のその一言で亜由未の顔が変わった。
「デパ地下のティーセット!!」
店に響く声に二人は思わず吹き出した。
「はいはい。笑」
穏やかで、暖かで幸せな
そんな冬だった。
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