ブラックコーヒー

昼休憩が終わった午後一時半。

眠気覚しのコーヒーを淹れに給湯室へ向かった。

コーヒーメーカーが抽出している音なのかゴブゴブという独特の稼働音をおぼろげに聞きながら完成を待った。

完成したコーヒーをデスクに持ち帰り一息ついたところで声が聞こえた。

「またコーヒーかよ。」

呆れたように言ったのは同僚の大隅だった。

「眠気覚しに、」

いつも通りの掛け合い。

「本当、お前のコーヒー好きもここまでくると中毒だよな」

笑い混じりで大隅が言う。

右手のマグカップにはブラックコーヒー。

別に好きではないんだけど。