出会い

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退社間際になって同期の今村が声を掛けて来た。 「なあ雨宮、今夜暇か? 合コンしょうぜ。 相手は大学病院のナースなんだ。 写メも見たが美人ぞろいだぞ。 相手側も写メを送ってと言って来たんだが、送れる顔がいなくて・・」 「嫌だよ。 今夜は少しだけど仕事も残ってるし、僕、煩いの苦手なんだ」 顔が・・と言われると嫌な気がした。 まるで、それしか取り柄が無いと言われているように思える。 それに、せっかく女性と知り合いになれても、また優しくないと言われて終わる気がした。 「頼むよ、早く写メも送らないと彼女達の気が変わっちゃうと困るだろ? それに、実はもう人数に入れちゃってるんだ」 そう言う。 結局断りきれずに行く事になった。 財布の中を確かめる。 週末なら少しは多めに金を持ち歩くが、普段は1~2万も入っていれば多いほうだ。 カードも有るが、使い過ぎると後で引き落とされた時に小遣いの遣り繰りに苦労する。 僕は酒が好きで一人でもよく飲みに行く。 マスターが一人で営むような店が好きで、行きつけも何軒かはあった。 (合コンならもう少し位は必要かな? 後でコンビニで下そう・・)
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