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女中の叫ぶ声や子供の泣く声が頭に響いてくる。
江戸城内では側室が謀反を起こし大変な事態となっていた。
正妻の子供を殺し、自分の子を跡取りにしたいのだろう。
あいにく父上は不在。
だから絶好のチャンスというわけか。
「理玖、絶対に私から離れては駄目よ?」
弟を守りながら私は城の外へ避難しようとしていた。
まだ小さいのにこんなことに巻き込んでしまった。
あいつがこのようなことを起こしたのは私のせい。
だから…責任をとらなくちゃいけない。
「やっと見つけたわ。姫様?」
側室のお春が言った。
「父上様はなんとおっしゃるか…。」
「そういうところがむかつくのよね。」
「ねぇ、理玖。瑠衣を呼んできて欲しいの。お願いできる?」
「はい!!」
「気をつけてね。」
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