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ガキの頃から、特に気にすることもなく一緒に居たし、バレーボールに夢中になった。
これいつまで続くんだ? とたまに思う。いや、口に出して言う。
すると奴はさらりと返す。
「運命だからじゃない? 痛っ!」
「殴っていいか?」
「殴ってから言わないで! あとボディは止め……痛い、痛い!」
何かムカついたので、ついでに二発入れておいた。
「うぅ……ヒドいよ岩ちゃん」
「かっとしてやった、反省はしない」
「古いネタを……」
苦い顔をして、及川が着替えを始める。
「こうしてられるのも、そう長くないでしょ。俺たちは3年だし、進む道も違ってくる……同じメンツで同じコートに立つことも二度とないんだから、運命でくくってもいいんじゃない? 俺はずっと感謝してるよ。このチームと、岩ちゃんに」
その言葉に、思わず目を見開いて隣を見た。
着替えを済ませた及川が、こっちを見てどうしたの、と笑う。
「……お前がまともなこと言うと気持ち悪い」
「ちょいちょいヒドいよね、岩ちゃんは」
そう言いながらもさらに笑って、こちらを促し、部室を出ようとする。
気を取り直して、及川の背を追った。
「心配すんな、すぐには終わらせねえから」
このチームも、この腐れ縁も。
「岩ちゃんたら男前! って痛い!」
茶化す及川に後ろから蹴りを入れておく。
例え進む道を違えてもなんだかんだと続くだろう。
腐れ縁なんてそんなもんだ。
どうせ互いの身は錆び刀
切るに切られぬ腐れ縁
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