アザミの花

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 烏野高校排球部の3年のマネージャー、清水潔子さんは美人なお姉さんです。  西谷さんと田中さんが言うには、彼女以上の存在は、あまり居ないとか。 「潔子さーん!」  今日も今日で、西谷さんが、清水先輩に飛びかかってはいるものの…… 「おぶっ!」  ひらり、と華麗にかわして、何事もなかったかのように作業を続ける清水先輩。  西谷さんは床に顔面から突っ込んでました。 「仁花ちゃん、タオルお願い出来る?」 「はい!」  美しく優しい笑顔で清水先輩に頼られたらば、断ろう筈もありません。  綺麗に畳まれたタオルを抱えて、教えられたら場所へ運びます。 「潔子さん、今日も素敵だ」  床に這いつくばったまま呟く西谷さんをかるく無視しながら……  君は野に咲くアザミの花よ  見ればやさしや寄れば刺す
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