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思い出す
香鈴が、俺の下に配属された初日のこと
「君、得意なことはなんだ?」
「コーヒーを淹れることです!」
「おまえ、バカか。
デザイン会社に来て、得意なことって
言えば、デザインに関係することだろう」
「はっ、はい」
思わず、有村のペースで早くも俺は
地を出してしまった。
「で?」
「で...!?」
「だから、何かって?」
「はい、ありません」
「は?」疲れる...
「それを、東郷先生から盗みに来た
わけでして」
「おまえ、100年早いわ。とりあえず
おまえの得意な、コーヒー淹れてみろ」
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