5人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「これってあなたのよね……?」
「…え? 俺んじゃないよ……」
「だって……」
彼女はソレを持ち上げるとおもむろにパカっと口の部分を開く。
「それが……なに?」
開けた口を俺に見えるように傾けた。
「ここ見て」
「…え? あ、それって灰皿だったのか……なぁんだ……」
俺は何気に誤魔化そうとした。「あまり開けると灰が臭うよ。タバコ、嫌いだろ?」
しかし俺の言葉を無視して彼女は冷静に続ける。
「いいからここ見てよ」
「そこがなんだよ?」
彼女は開け口の中の一点を指差した。
「ここに書いてあるの、あなたのイニシャルよね?」
「……」
最初のコメントを投稿しよう!