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カウンターに座るとおじいさんの後ろに大きな時計が見える。
時計は6時を指していて早く道を聞いて帰ろうと口を開こうとした。
そんな私におじいさんは優しく微笑む。
「改めていらっしゃい、お客さん
そろそろ来る頃だと思ってお待ちしてましたよ」
そう言うと、私の前に一杯のコーヒーが差し出された。
「あの、私今持ち合わせがなくて……
それに待ってたって……?」
注文もしてないのにも関わらず出されたコーヒーに慌てながらも、言葉の意味を聞こうとする。
するとおじいさんは
「分かるんですよ、いつどんなお客さんが来るのかってね
そのコーヒーはお金はいいよ、サービスだから」
なんて笑って言った。
「はぁ……」
半信半疑、そんな気分だった。
だってどんなお客さんがいつ来るか分かるなんて、あり得ないじゃない。
「それで、お客さん」
拭き終えた食器を片付けながら話しかけてくる。
「なにをそんなに悩んでるんだい?」
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