第1章

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私は甘いコーヒーしか飲めない。 生まれて初めてコーヒーを飲んだのは小1。 あなたが美味しいと言った味に興味を持って、何も考えずに口に含んだ。 その瞬間、口内に広がる苦味に悶絶して、慌てて流しに吐き出した。 あなたはえくぼを浮かべて小さく笑うと、おもむろにキッチンへと消えた。 戻ってきたあなたの手には、たっぷりのミルクと砂糖を入れたコーヒーの成れの果て。 恐る恐るそれを舐めた私の顔が緩むのを、あなたはいたずらが成功した子どものような顔で眺めていた。
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