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すとーかー?
慶応元年のある日の昼下がり。
「…あぁ゛暇だぁ!」
「…静かにしろ、平助。」
「だって一くん!何も無さすぎて禿げちゃうよ!」
「何も無いぐらいで禿げはしない。」
俺は横にいる奴をなだめながら周りを見渡す。
この頃ずっと視線を感じる。
殺意などはなく、ただたんに視線を感じるだけ。
「おーい!一くん!」
「あぁ、なんだ。」
「いや、ぼぉーとしてたから。何かあった?」
「いや、最近視線をよく感じるんだが…」
「そんなの、僕たちが新撰組だからでしょ?」
「…」
拗ねながら「一くんがかっこいいのもあるけど」と、ブツブツ呟いているのは藤堂 平助。
顔は整っているが、女顔で童顔。
身長は低くてまさにTHE女子の様だが、剣の腕前は中々のもので新撰組八番組長を務めている。
そして俺は、新撰組三番組長の斎藤一。
無口無表情とよく言われ、「一くん笑ったらもっとかっこいいのに…この鈍感一くん!」と毎回同じことを言われる。
全く意味が分からない。
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