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「突き放して言いながらも、朝日さんは黙って聞いてくれるんですね」
「別に………僕は初体験が終わった余韻に浸りたいだけなんだけど」
「嘘、ですよね………」
寂しくなって、そう言ってしまう。
初めてを経験した身体の痛みが、私に言わせた『弱さ』だった。
こんなに子どもっぽい、甘えたがりの私自身に、ほとほと嫌気が差した。
「嘘は一つもないけど、但し書きを付すなら。
すげーーーだるい!
珈琲と煙草が欲しい。
記憶とか消したい。
本音はこんな感じだよ」
酷い言われようだった。
私から迫っておきながら、泣きたくなった。
惨めだった。
私は最初から惨めなのに、尚更、惨めになる。
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