プロローグ

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白い、白い、雪が降っている。     空の彼方から、ゆっくりと。     その景色は、とても綺麗で。     その景色は、とても切ない。         また一つ、雪が降ってきて。   また一つ、雪が地面に落ちていく。       そんな、しんしんと雪が降る中に少女がいた。     その姿は、雪の白に隠れてしまいそうなほどの希薄。   ただ空を見上げ、静かにたたずんでいる。       雪が珍しいのだろうか。──しかし、表情はない。ただじっと、空を見上げているだけ。                         そして、いつまでも空を見上げていた。
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