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目標を失ったため、また空を見る。         きっと、これからもずっとそうしていくのだろう。         綺麗な雪は、降り続ける。     少女は、肩に降り積もった雪を落とそうともせず、空を見続ける。       その行為に意味や意義はない。ただ、そうしているだけで満たされた気になるのだ。それほどまでに美しい景色なのだ。         いつ雪に溶けてしまうか分からないほど希薄な存在の少女は、自身がひどく疲弊していることに気付いた。           ──ひとりで雪だるまを作ったりしたら、疲れちゃうのも当たり前か。         そう、納得した。
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