込み入った問題

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街の中心地から離れた、少し寂れた喫茶店。 壁のペンキは所々はがれてはいるも、あまり不衛生な印象を受けない。いやに新しく綺麗なカウンターの印象によって塗り替えられたのかもしれない。 そんな店で、サングラスをかけ、雑に伸びた短髪の黒の天然パーマを軽く手で流す男がいた。俺だ。 見慣れていなければ怪しい人物に見えるだろう俺は、喫茶店の椅子に腰かけ、店員が来るのを待つ。 「いらっしゃい、注文は?」 少し高飛車な物言いをする女店員。この雑な対応が、俺をここに通わせているのかもしれない。 サングラスを取り、女店員を見て、俺は注文を告げた。 「コーヒーを。砂糖10、シロップ10で頼む」
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