0人が本棚に入れています
本棚に追加
春と言ってもまだ、肌寒い3月。
春奈は無事卒業した。
進学校も無事に決まってめでたい卒業式だった。
卒業式が終わり、みんなそれぞれの家路につく。
しかし、春奈は、なんとなくいつもの喫茶店に足が向いた。
店のドアをあけた春奈はびっくりした。
当摩も来ていたのだ。
「卒業、おめでとう。おまえ、ギリギリだったんだぞ。」
「でも、大学だって合格したんだから褒めてよ、褒めて。」
「そうだなぁ。よく頑張った。コーヒーおごるから、まあ、座れ。」
春奈は素直にいつも座る向かいの席に座った。
すると、当摩は手招きをした。
「隣りへ座れ。遠慮はいらないんだからな。」
春奈はすこし驚いたが、笑顔で当摩の席の隣りに座った。
当摩は春奈のコーヒーを注文した後、春奈の肩に手を乗せた。
春奈の心臓が急に早鐘を打つ。
「やっと、おれの春奈になったな。」
そういって、笑顔で春奈を当摩が見る。
春奈は落ち着かない。
想像はしていたが、現にそうなると恥ずかしくて耳たぶが紅くなる。
「春奈って、うぶだったんだ。」
当摩は、楽しそうにわらった。
タイミング良くコーヒーが来たので、春奈はコーヒーに向かって、
「でも、コーヒー飲むときは、たばこ禁止だからね」
当摩に向かって春奈はそれを言うのがいっぱいだった。
当摩は笑顔を絶やさなかった。
これからの春奈の成長が楽しみで、いつでも、春奈に抱きつける嬉しさが春奈の抗議を受け流し、楽しんでた。
最初のコメントを投稿しよう!