特別教室

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 春と言ってもまだ、肌寒い3月。  春奈は無事卒業した。  進学校も無事に決まってめでたい卒業式だった。  卒業式が終わり、みんなそれぞれの家路につく。  しかし、春奈は、なんとなくいつもの喫茶店に足が向いた。  店のドアをあけた春奈はびっくりした。  当摩も来ていたのだ。 「卒業、おめでとう。おまえ、ギリギリだったんだぞ。」 「でも、大学だって合格したんだから褒めてよ、褒めて。」 「そうだなぁ。よく頑張った。コーヒーおごるから、まあ、座れ。」  春奈は素直にいつも座る向かいの席に座った。  すると、当摩は手招きをした。 「隣りへ座れ。遠慮はいらないんだからな。」  春奈はすこし驚いたが、笑顔で当摩の席の隣りに座った。  当摩は春奈のコーヒーを注文した後、春奈の肩に手を乗せた。  春奈の心臓が急に早鐘を打つ。 「やっと、おれの春奈になったな。」  そういって、笑顔で春奈を当摩が見る。  春奈は落ち着かない。  想像はしていたが、現にそうなると恥ずかしくて耳たぶが紅くなる。 「春奈って、うぶだったんだ。」  当摩は、楽しそうにわらった。  タイミング良くコーヒーが来たので、春奈はコーヒーに向かって、 「でも、コーヒー飲むときは、たばこ禁止だからね」  当摩に向かって春奈はそれを言うのがいっぱいだった。  当摩は笑顔を絶やさなかった。  これからの春奈の成長が楽しみで、いつでも、春奈に抱きつける嬉しさが春奈の抗議を受け流し、楽しんでた。 
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