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重たい雲が足早に駆け抜ける空の下、空模様にも小さな人間にも全く構わない様子で、堂々とそびえ立っている。隣は公園のようで、敷地は広く使っている。広くない道路を渡れば、昔ながらの小さな家屋がひしめき合っているという中で悠々と構えている様は、奇妙な取り合わせだったが、不思議と違和感は無く、土地一体が静かに座していた。
土曜日とあって、そこそこの人出はあるものの、元いたところの大行列に比べてしまえばガラ空きだ。吹き抜けの天井を大胆に使った空間に、広々と陳列された作品を、思う存分堪能することができた。
馴染みの無い現代美術は、やはり難解で、解説を読んだところで作家の意図を理解することは難しいものもあったが、同時代を生きる者として、作品が生まれた背景は理解しやすかったかもしれない。一部では、そんな風に頭を使いながらも、一方で北方に小声で、これは何なのだろうと尋ねると、よく分からないねと囁き返されたから、理解できないことを気に病むことは、止めにした。
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