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帰って来たんだな……と思う。
久しぶりなのに、とても懐かしく
穏やかな気持ちになるのが、この町の良さだと思う。
群青色の夜空に、ぽっかりと大きな満月が浮かんでいた。
色は、白くも青くも見える。
雲の隙間から月光が伸びてきて、僕の前に道を作る。
月光が作る優しいライトに導かれる様に、僕は橋から続く道を北へ北へと歩いた。
緩い坂道になっていた。
左手にお寺があって、
5体並んだ小さなお地蔵様がにっこりと微笑みかけてくれる。
右手に小さな駅が見えた。
その前には、京都らしい和風のお土産屋さんが所狭しと並んでいる。
すでに閉店しており、グレーのシャッターが閉まっていた。
5時を過ぎるとこの辺りは、たちまち人がいなくなる。
僕は、人通りがなくなった緩やかな坂道をひたすら歩いた。
坂を登りきると、道が細くなっていった。
右、左、右と、選びながら僕は歩く。
知らない道は、少し
ワクワクする。
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