第1章

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釣りびとの朝は早い 外来魚の駆除を目的に…いや本当は言い訳に 早々と釣り糸を垂れたそんな時だった。 「あなた方の釣り糸のせいで、タマちゃんが怪我をしたんでしょう!?責任とってください!」 早朝から揉めている団体がいる。 何年か前に迷いこんだアザラシを守る会とかで… 釣り人にはいい迷惑 外来の巨大魚を釣る団体と何やら不穏な雰囲気 私はため息と共に早々に竿をたたんだ。 「まぁまぁ、朝早くから揉め事もなんですからどうです?家のコーヒーでも飲みませんか?」 近くの喫茶店の…マスターに戻ってそう声をかけた。 モカの芳醇な香りと共に。 釣りの団体は家のコーヒーの常連客共 虚をつかれたように、皆おとなしく喫茶店に吸い込まれて行く 「あら!?今日は随分早かったのね?」 奥さんの明るい声に、かんねんして、コーヒーを容れるとしよう。 釣りばかりの夫に腹をたてていたのだろうな…。
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