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大好きな先輩がいた。
別に恋愛感情ではなく、人間性が好きって意味で。
高校で出会った先輩は煙草を吸っていた所為で、周りから疎まれていた。
事実私も【不良の先輩がいる】程度の認識しか無かった。
そんな先輩と関わりを持ったのは期末テストが終わり、生徒も疎らになった放課後のことだった。
「お、良い所に来たね1年生! オレら今から遊びに行くから金クレな?」
...なんとも頭の悪いカツアゲ文句だった。
「タクヤもうちょっと柔らかく言えよー! 1年生ビビっちゃうだろー。」
「タクヤさいてーっ!」
あまりに間の抜けた煽り文句に冷静になれた私は、
同時に相手の人数を見て敵わないと悟っていた。
そんな時に現れたのがあの先輩だった。
「...くだらねぇことしてんじゃねぇよ。」
校内でかなりの顔が知られてるお陰か、
たった一言でカツアゲくん達を退けてみせた。
唐突な援護射撃に驚いているうちに先輩はいなくなっていた。
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