1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちなみに、横山さ、うちらがここで休憩してるのって、ただしゃべってるだけとか、思ってない?」
「え? どういう意味ですか?」
「そうじゃねーんだよ。うちら作る人間にとって、ぼーっと話す時間は必要なの。わかる?」
「ええと、あまり……」
「対応に煮詰まったりするじゃん。その状況で、どんだけあがいても、先には進まないの」
「それはわかります。いつもそうです、僕は」
「でしょ。それはみんな同じ。上村もそう」
「え? そうなんですか! そうは全く見えないです」
「やっぱりそう思ってたか。上村がここに転がり込んでくるのも、大抵は、煮詰まった時なわけよ」
「先輩も、煮詰まるんですね」
「そりゃあね。だから、ここで雑談しているわけ。全然関係無い話からアイディアひらめいたりするし。あと、話し相手がその件知ってたら、即解決でしょ?」
「そういう、ものなんですかね」
「そそ。どんどこ新技術出てくるし、金融システム作るには、金融の知識も必要だし。一人で全部カバーできねーよ物理的に。だから良いの。一人で負わなくても」
「なるほど……勉強になりました」
俺はそう言って、木崎さんに頭を下げた。
最初のコメントを投稿しよう!