煙草は思いで
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手を振って、ルミが喫茶店から出ていった。そのドアを、しばらく見て、溜息を吐いた。 目の前に置かれた物を見る。 珈琲はあまり好きではない。砂糖をいれないと飲めない。ルミはブラックしか飲まないから、趣味が変わっていなければブラックのはずだ。 「苦い」 ほら、ブラックだ。 だけど、今だけはありがたい。 今のが夢じゃないって、教えてくれるから。 了
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