another story-1 【北海道編】

3/26
前へ
/104ページ
次へ
金属バットを手にし、ボイラー室から出てエレベーターに乗り込む。 1階部分は既に狂鳴人の侵入を許している為、最上階のボタンを押した。 動き出したエレベーターの中で電波が三本立つと同時に、俺はスマホをタップして城ノ内に電話を掛ける。 三回ほどのコールで電話口に出る城ノ内。 「あっ、支配人っすか?すんません……ちょっと手こずっちゃって」 「お前、今どこにいる?垂水が心配してたぞ!」 「そうですか……いや、小樽近辺のスーパーやコンビニが全部アウトだったんで、朝里のショッピングセンターまで来てるんですよ」 「朝里!?そんな場所まで行っていたのか。で?怪我とかしてないだろうな?」 そう問いかけると、城ノ内はうーんと考え込むような声を上げ、「多分」と呟いた。 「多分ってどういうことだ?今、周りに狂鳴人でも居るのか?」
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2029人が本棚に入れています
本棚に追加